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ケーススタディ

メトロジャパン | 日本市場撤退に関する9物件売却プロジェクト

 

01 背景

ドイツを本国として世界各国に飲食店やホテル等の飲食業者・一般消費者向けの卸売市場を展開するメトロ社は2021年に日本市場からの撤退を決定しました。そこで不動産子会社であるメトロプロパティーズは、日本法人であるメトロキャッシュアンドキャリージャパン株式会社の事業撤退を完遂するため、首都圏に所在する9つの不動産施設を売却処分するために窓口(セラーズエージェント)の選定を行うこととなりました。

売却対象となるのは9物件で、そのうち3物件が定期借地権付き建物でした。物件も首都圏に幅広く分散されている広域ポートフォリオでした。

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メトロ社へ提出されたプロポーザルの多くが、借地物件3つを除いた完全所有権の物件のみの売却や、ポートフォリオ一括でプロ投資家に売却か既存用途での建物仕様を前提とした個別投資家への売却を提案するなど、スピード重視のものでした。

一方で、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)の提案は、お客様の利益を最大限に保つカスタマイズド・アプローチに基づくものであったためセラーズエージェントとして選ばれました。提案内容は、ポートフォリオ一括ではなく、個別物件それぞれに将来の新たな用途も視野に入れながら購入者を探索していくものです。物件の位置も周辺環境も異なっており、それぞれの物件にあわせたマーケティング活動が必要となるため、手間はかかるものの、不動産の最適な用途に基づく購入者とのマッチングが可能となります。また、C&Wは長らくメトロ社の日本市場における不動産支援を長くお手伝いをしていたことからも、物件の良さについて最も自信をもってお伝えできると考えました。

02 ソリューション

C&Wは不動産総合サービス会社としての様々なネットワークを最大限に駆使して売却活動を行いました。売買部門ではプロ投資家を主とするネットワークを駆使して、ロジスティクス部門からは、物流施設・倉庫を将来の用途としたアプローチを、そしてリテールサービス部門は、路面店・郊外店舗開発業務で培ったネットワークを活用しつつ商業施設用途の観点からマーケティング活動を行いました。これは各物件で行われ、そのアプローチ先は240社を超え、購入ビットに参加した購入希望者は37社にも及びました。

広域に所在する物件であることもあり、物件内覧に時間を要してしまうため、潜在的購入者の意思決定スピードに影響を与えてしまうことが懸念としてありました。そこで最新の不動産テックであるデジタルツイン技術を用いて3Dバーチャルイメージを作成し共有することにより、購入検討者の意思決定スピードを速めることにしました。結果、検討スピードが速くなり効率的なマーケティング活動を行うことが可能となりました。

03 結果

C&Wの知恵とネットワークを最大限に活用することによって、売主が想定していた24か月のプロジェクト期間を大幅に短縮し、C&Wの売却窓口就任から9物件全ての取引完了までを約10か月で完了することができました。

9物件中、機関投資家が購入したのは物流用途への再開発を前提とした2物件で、それ以外はすべて自己使用あるいは物流と店舗のハイブリッドでの利用を目的とした購入者へ売却することができました。また、取り壊し前提の売却は1つのみにとどまりました。環境への配慮からも、既存ビルの再利用を望まれていたクライアントの要望に最大限応えた結果となりました。例えば、ある教育機関の購入者は建物を美術館として生まれ返させる考えであり、既存施設を最大限活用でき、そして美術界に貢献できることもメトロ社にとっては意義のあることでした。売却価格の総額も、当初の想定価格を大きく上回る金額での取引となりました。

これらは個別物件を一つ一つ丁寧にマーケティング活動を行った結果であると考えています。C&Wはクライアントであるメトロ社に寄り添ったカスタマイズド・ソリューションを提供できたことを誇りに思います。

お問い合わせ先

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Hiroyoshi Takayama

Senior Director
Chiyoda-ku, Japan


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