過去2年間は多くの点で注目に値します。様々な産業が革新的変化に直面しており、データセンター産業も例外ではありません。多くの企業は、分散した拠点から勤務する従業員のつながりを保ち、在宅勤務をすることができるようにするために、クラウド技術を強化する必要性が突然高まりました。クラウドへの移行が加速し、データセンターの必要性が高まり、グーグル、アマゾン、マイクロソフト、アリババ、アップルなどの主要なデータ・プラットフォーム事業者が世界中にデータセンター網を拡大、２０２１年もこの傾向は続きました。昨今では、ハイパースケール・データセンター・ユーザーが新しい地域に拡大するかどうかではなく、どれだけ多くのユーザーが、どれくらいのスピードで拡大するかが焦点となっています。
このように、新たな動きが強まっている中で、「世界データセンター市場比較」の第3版を発行することになりました。以前とのカテゴリーに基づき世界中のデータセンター市場を評価し、13のカテゴリー別で市場別にパフォーマンスを評価していきます。
| 01/ バージニア州北部 | 07/ フェニックス |
| 02/ シリコンバレー* & シンガポール* | 08/ シドニー |
| 04/ アトランタ* & シカゴ* | 09/ ダラス |
| 06/ 香港 | 10/ ポートランド* & シアトル* |
*同位
2022年版では、13のカテゴリーに基づいて世界55の主要データセンター市場を調査しました。2022年は、ほとんどの市場ですべからず成長が期待されています。本報告書が、データセンター施設への投資、所有、運営の観点から、読者の皆様がそれぞれに適した候補地を見つけ出していく助けになればと考えています。
世界中のデータセンター市場を13のカテゴリーで評価しています。
主な3つのカテゴリーの概要:
クラウドサービスの可用性は、テナントだけでなく、デベロッパーや投資家が新しい市場に戦略的関心を持つための決定要素となっています。主要なクラウドサービスの存在は、将来の需要が拡張することを保証するものであると同時に、相応の市場ファンダメンタルズを裏付けるものでもあります。本レポートで取り上げた63の市場のうち、34の市場では米国の3大クラウドサービス業者が何らかの形で進出しており、いくつかの地域ではさらなる拡大が計画され、すでに用地取得も終了しています。
十分に確立された市場では、すべての主要なクラウドサービスが利用可能であり、高いパフォーマンス、他者と協業する機会が可能になります。顔なじみのオペレーターが存在するでしょうし、円滑な運営を支援するために経験豊富なスタッフ、知識豊富な営業担当者が維持されています。地方自治体は、計画認可プロセスを十分に理解しておりますし、電力事業者に大規模な電力供給を依頼したとしても、驚かれることはないでしょう。したがって、最大規模の市場では、少なくとも電力源が枯渇してしまったり、政治的情勢が大幅に変化しない限り、継続的な成長が期待できます。
データセンターのコスト分析では、計画、許認可、用地取得、建設、建物の建築、変電所および配電の拡張コストなどを含む初期の設備投資にしばしば注目が集まります。こうした投資は、通常メガワット当たり7~1000万ドル相当の範囲であり、特に投機的な建設をする場合、高い参入障壁となります。また、DCの段階的な拡張に応じて電力量をどんどん増加させていく必要が恒常的に生じていきます。ただし、電力費は建物の耐用年数にわたる運営費全体から見れば、ほんの一部となります。
