アジア太平洋地域 データセンターアップデート:2023年上半期
31/08/2023
アジア太平洋地域では、データセンター市場は依然として積極的に拡大しており、弊社調査対象の市場では、9.7GWが稼働中、3.3GWが建設中、8.5GWが計画段階にあります。
従来の主要市場である北京、香港、ムンバイ、ソウル、上海、シドニー、東京は、成長を続けていますが、用地不足や電力供給の不足による逆風も存在します。その結果、拡大戦略の余波として付随的な立地が評価されはじめてきました。開発の一時停止(モラトリアム)によってシンガポールのITキャパシティに上限が課されたため、市場にあふれた需要は、隣接する市場のジョホールなどにも影響を及ぼしており、大規模な開発計画や開発用地の取得などが目立ち始めました。同様に、ジャカルタ圏での大規模な開発計画は、東南アジアの中心に位置する有利な地理的条件を背景とするものですが、インドネシアの将来人口成長の可能性も、大手投資家・運用業者を魅了し続けています。
グローバルなクラウドサービスプロバイダー(CSP)は、成長市場に明確な関心を示し続けています。 ハイパースケールのCSPは、オークランド、バンコク、釜山、クアラルンプール、大阪、プネー、台北の成長市場に進出を計画しています。こうした動きに追随して、コロケーション事業者やデベロッパー、投資家も、自らのデータセンターを開発していく傾向があるため、今後数年間に及ぶ市場参加者の拡大を通じて、急速に市場は成長していくでしょう。
アジア太平洋データセンターを構成する各市場の発展スピードは様々であることから、今回初めて「アジア太平洋データセンターマーケット成熟度指数」を導入しました。四半期ごとに、注目すべき数多くの市場の動向を追跡していきます。本レポートでは、東京、ムンバイ、シドニー、シンガポール、ソウル、ジョホール、ジャカルタ、香港、マニラ、バンコク、オークランド、ホーチミンの計12の注目市場について詳しく説明していきます。
アジア太平洋市場 成熟度指数
*すべての分析において、アジア太平洋地域の調査対象はオーストラリア、中国大陸、香港、インド、インドネシア、日本、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナムのみ。*総容量には、市場内のハイパースケールクラウド、コロケーション、エッジ、テレコムのデータセンター施設における稼働中、建設中、計画中、土地保有中のIT負荷が含まれており、キャプティブおよびICT施設は除外されています。
アジア太平洋地域のデータセンターが次に目指すものは?
アジア太平洋地域のデータセンター・セクターに関する最新情報や、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのデータセンター事業の詳細については、こちらをご覧ください。
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