レポート
Apac マクロ・アウトルック
経済の不確実性の中での底堅い成長
アジア太平洋地域は、短期的には様々な成長軌道を描きながら、ダイナミックな成長を遂げています。オーストラリアや日本などの先進国は成長が鈍化していますが、インド、ベトナム、インドネシア、フィリピンなどの新興市場は、国内消費、海外直接投資、インフラ開発が堅調に推移しています。今後を展望すると、地域の成長率は2024年後半から2025-26年にかけて約4%で安定すると予想されます。このような力強い成長と継続する経済の不確実性のなかで、アジア太平洋地域のセクターと資産クラスのどのように推移したのでしょうか。また、2024年以降にどの市場やセクターが最もパフォーマンスを示すのでしょうか。
「APAC Macro Outlook 2024」レポートは、キャピタルマーケッツ、オフィス、インダストリアル、リテール、オルタナティブの各セクターの現状、主要動向、今後の見通しを分析しています。
主要ポイント
経済
2024年には新興市場が牽引する地域経済が力強い成長を遂げ、その翌年には成長が正常化すると予測される一方、先進国では現在の低成長が2025年まで加速すると予想されています。
キャピタルマーケッツ
投資家が金利引き下げへの確信を深めているため、ほとんどのセクターで取引量は頭打ちとなっています。2024年下半期には取引が改善し、その後2025年にかけてさらに加速すると予想されます。
オフィス
当地域のオフィススペース需要は引き続き拡大しており、インドが中長期的に当地域の需要を牽引し、年平均約80msfの需要が見込まれます。しかし、新規供給が続くため空室率は上昇し、賃料の伸びは抑制されるでしょう。
インダストリアル
全体として、工業用地は引き続き力強い成長セクターですが、地域の需給ダイナミクスを反映して、業績は地域によって二分されるでしょう。当地域の製造拠点の立地と専門性の進化が続くと予想されます。
リテール
根底にある人口増加と中産階級の増加は、特に新興市場において、新規リテール面積の成長を引き続き促進するでしょう。短期的な見通しはK字型で、非自由裁量消費財と高級消費財のパフォーマンスが拡大する一方、自由裁量消費財の小売業はパフォーマンスを下回る可能性が高いとみられます。
オルタナティブ
需要ドライバーは、オルタナティブ資産のほとんど、特に住宅地やデータセンターを引き続き好む傾向にあります。
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