大阪は、日本で最初の3つの統合型リゾートの候補地として誘致に積極的です。地元の事業者も興味を示し、この取り組みに前向きです。前回の開催から55年後、2回目の万博開催が決定し、大阪府および大阪市はExpo 2025と統合型リゾート(IR)開発によってもたらされる経済効果の拡大を狙っています。
大規模イベントは、世界中から多くの訪問客、投資、注目をもたらします。万博の開催により、3,000万人が大阪市を訪れるとみられています。しかしながら、その効果は限定的なため、万博のレガシーを有効に活用することが重要となります。
大阪・関西万博の会場となるのは、1990年代初めのバブル崩壊以後に放置され負の遺産と呼ばれる人工島、夢洲(ゆめしま)です。万博開催の好機にあたり、大阪府はこの島にMICEやエンターテインメント施設を有する国際観光拠点となる統合型リゾートを建設しようと、強い意気込みを見せています。
大規模なインフラ開発プロジェクト
2025年国際博覧会の開催地となって以降、大阪市は会場へのアクセス強化のため、大阪メトロ中央線を夢洲まで延伸することを決定しました。大阪が統合型リゾートの開発免許を取得した場合、その開発規模は拡大します。統合型リゾートの誘致が決まった場合、大阪メトロは夢洲駅を55階建て275メートルの高層タワーとして建設すると表明しています。JR西日本と京阪電気鉄道もまた、各線の夢洲への延伸に意欲的です。
活気あるゲートウェイタウン
多くの開発プロジェクトがIR誘致の行方を見守る中、大阪府は関西国際空港のゲートウェイタウンを刷新しようと計画しています。空港から5分程の距離にあるりんくうタウンは、訪日観光客に人気のりんくうプレミアムアウトレットを有しています。このアウトレットモールは、何度かの拡張を経て、現在は85,000㎡の敷地に200店舗以上が並び、2020年8月の第5期拡張では、更に48店舗が加わります。2019年には、観光客および乗り継ぎ旅客をターゲットとした関空アイスアリーナ、ホテル、スパ施設が開業しました。将来に向けては、りんくう中央公園の再開発も計画されており、ホテル、MICE施設、商業施設、住居を含む27階建てと18階建てのツイン・タワー構想が、2024年開業を目指して計画されています。
空港アクセスの向上
2020年現在、関西国際空港と大阪駅(または梅田駅)エリアを結ぶ急行電車はありません。JR西日本と南海電気鉄道の2つの事業者は、現在空港からの急行電車を天王寺、新大阪、京都(特急「はるか」)新今宮、なんば(特急「ラピート」)の各駅まで運航しています。
この状況は、2023年春に計画されている新駅「大阪駅」の開業により改善される予定です。また、2031年に開業が予定されているなにわ筋線の開通によって、南海電鉄は大阪北部まで接続することになります。観光客は、中之島経由でも夢洲へ行くことができるようになります。