クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドは、テナント企業でCRE(以下、「事業用不動産」)に関する決定権を有する管理職の皆様からのご協力を受けて、オフィス賃貸に関する年間調査を行っています。オフィステナントグローバル調査(以下、「当該調査」)では、商用不動産に関する戦略決定の動機付け、立地条件やワークプレイスに関するトレンド、各社が賃貸する不動産ポートフォリオ戦略を変更する際の考察などを毎年違うテーマで調査しています。
2023年のテーマ:ESG
ESGの重要性の高まりと、ESG (Environmental, Social and Governance) が組織における方針、手続、意思決定の枠組みとしてどのように機能するかにフォーカスします。
最も重要なポイントは?
- 事業用不動産に関する戦略決定において「コスト削減」は、人財の確保と同じ程度に重要に
コスト削減、優秀な人財の確保、業務の効率化は事業用不動産の戦略決定における三大要因。優秀な人財の確保はEMEAで2位、米州で引き続き1位にランクイン
- 創造、革新、協業を促進する協働スペースは倍増する見通し
協働スペースがオフィスで占める割合の目標値は、コロナ前(20~30%)からほぼ倍増(40~50%)。約80%以上の回答者が創造的、革新的な業務を促進する集まりの場としてオフィスを捉えている
- 都心部は本社所在地として人気を保つものの、新たな人財は都市圏外からも採用される傾向に
回答企業の大半は、都市圏外からの採用、約26%は世界中からの採用を受け入れている
- オフィス稼働率は低いままであり、拠点の更なる統合を推し進める傾向に
ほとんどのテナントの出社率は45%以下にとどまっている。ほとんどのテナント(63%)は賃貸面積の削減を計画。2023年内の目標として、25%以上の賃貸面積削減を掲げるテナントが増加傾向
- ESGの重要性は欧州、中東、アフリカ(EMEA)では高まっているが、米州はやや出遅れ気味
前回調査以降、ESGは事業用不動産の戦略決定要因ランキングにて、グローバルで8位から5位へと順位を上げた。また、EMEAで3位、米州では6位にランクイン
- 柔軟な働き方を許容することはソーシャル・インパクトを実現する鍵に
弊社調査によると、従業員が働く場所や時間を選択し、管理できることは従業員のエンゲージメントを高める傾向。回答者も柔軟な働き方を許容することがソーシャル・インパクトを実現する鍵とみている